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天狗岳｜唐沢鉱泉から周回。ひっそりと黒百合が咲いた。

念願の車を買ったので時間に縛られない登山ができると、大喜びで向かったのは、大好きな八ヶ岳。 数日前のレコで、黒百合ヒュッテのそばに、その名の由来でもある黒百合が咲いたとの報に接しました。そこで、まだ登ったことがなかったルート、唐沢鉱泉起点として、西天狗から東天狗、黒百合ヒュッテの周回ルートを歩くことにしました。 人気のある山だけあって、朝6時半の時点で唐沢鉱泉の駐車場はすでに満車でした。路肩には長い車列が並び、駐車スペースを探すのが一苦労です。しかし、ここで軽自動車の利点、ぎりぎり私の車が入るだけのスペースが空いていました(笑)！ 八ヶ岳は南と北でその雰囲気を二分します。南八ヶ岳は険しい岩山が連なり、挑戦的な登山を楽しむことができます。一方で、北八ヶ岳は緑豊かな溶岩円頂丘が広がり、静寂で癒しの登山を提供してくれます。 そのちょうど中間地点に位置するのが天狗岳です。天狗岳は、南八ヶ岳の険しさと北八ヶ岳の穏やかさを同時に感じることができる、魅力的な山です。 八ヶ岳といえば、苔の森がその代名詞です。私は胸がすくほど樹林帯が好きですが、八ヶ岳の森は格別です。今回は、その美しい森を歩きながら、とりとめもなく浮かんだ思いをオープニングにしました。 この森を歩くたびに、心が浄化されるような気持ちになります。 東天狗を登ったら、西天狗までは約20分なのですが、いつも疲れてしまい、西天狗は今度にしよう、と先延ばしにしていました。今回は、先に西天狗を登るので、ピークハントできますね。 稜線にのったら圧巻の景色です。 硫黄、横、赤岳の八ヶ岳の主稜線が間近に迫り、天狗岳から硫黄岳への鞍部、白砂新道は、天空の道です。 また、硫黄岳の爆裂火口の断崖は、黄色の縞々模様がはっきりと見えます。 南アルプスの山々は、まさにオールスターズと呼べる名峰が勢揃いしています。北岳、甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳... ロマンチックなひとときにうっとりします。 北アルプスの山々も遠くに見渡すことができました。槍ヶ岳の特徴的な穂先、その尖ったシルエットは一目で分かります。 しかし、人気の山で撮影をするのは、大変時間がかかってしまいました。 でも良いこともあって、天狗の奥庭へ降りる頃には、もうみんないなくなってしまいました(笑) 天狗岳は、その特徴的な形状から天狗の鼻に見立てられたことが名前の由来とされています。そして、天狗の奥庭は、その静寂さや美しさから「奥庭」と名付けられたのでしょう。火山噴出物や独特な地形が見られるこの場所は、まるで自然の庭園のようで、訪れる人々に深い印象を与えます。 私が通過したときは、強い風がふきつけ、誰もいない荒涼とした場所と化していました。 ふと、こんな日でも天狗は一人ぼっちでこの庭で遊んでいるのかなと想像しました。 さて、無事に黒百合ヒュッテに到着。 お目当ての黒百合は...おせっかいおじさんです、と言う親切な男性が、咲いている場所を案内してくれました。 二輪咲いていました。 ちっさ！ というのが、初めて黒百合を見た感想です。こんなに可憐な花とは想像していませんでした。 そして「黒」百合という、看過できないその色は、茄子のヘタに似ていると思いました。 自然界の黒は濃紫なんだなぁ。 撮影日：2024年6月22日（土）