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龍穴に鎮座する、日本を幾度も救った風神を祀る社：奈良県・龍田大社 (Tatsuta Taisha | Shinto Shrine in Nara Prefecture)

▼チャプターリスト（目次） 0:00 オープニング 0:21 社号碑、鳥居 1:17手水舎、社務所周辺 2:06 拝殿、本殿 3:52 神楽殿（旧拝殿） 4:24 境内摂末社 5:30 参集殿 6:18 御座峰（龍田大社祭神降臨地） どうも管理人のヒロリンです。 今回は奈良県三郷町に鎮座する龍田大社（たつたたいしゃ）を紹介します。 今から約2100年前の第10代天皇・崇神天皇の御世に創建されたという龍田大社。古から朝野に崇敬が篤く、平安時代には国家の重大事、天平地異の時などに朝廷から特別の奉幣を受けた「二十二社」のうちの一つです。 御祭神は天御柱大神（あめのみはしらのおおかみ）と国御柱大神（くにのみはしらのおおかみ）の二柱で、別名でそれぞれ志那都比古紙（しなつひこのかみ）、志那都比売神（しなつひめのかみ）。日本神話を記述した『古事記』によると、この二柱の神様は、イザナギとイザナミによる神産みで11番目に生まれた風の神。 神名の「シナ」は息が長いという意味があって、風は風神の息から起こると考えられたことからこの名になったとされています。 つまり、龍田大社は全国でも珍しい風の神様を祀っている神社ということになります。 例えば水の神様であれば、豪雨という災害を防いでくれることを祈願するのと同時に、恵の雨を呼ぶことを祈願するために社を建てて祀るということは分かります。 では、風はどうでしょうか。 風がもたらす災害と言えば台風時の強風。建物が吹き飛ばされるなどの被害をもたらすことは容易に想像できますが、風が我々の生活に恩恵を与えることがあるのか？パッとは思い浮かばないと思います。 実は、風は農耕と非常に深い関りを持っていて、日本人の主食である米を育てる稲は風媒花（ふうばいか）と言って、風によって受粉する作物です。つまり、風がなければ米は作れず、日本人は生きていけないことを意味しているのです。しかしながら、先ほども説明した通り台風などの強風で建物が吹き飛ばされるなどの被害をもたらすことから、日本人はこの「風」にも恐れや感謝の念を抱き、龍田大社のように風の神様を祀る社を全国各地に造りました。 さて、龍田大社が創建されるきっかけになったのは、約2100年前に第10代天皇・崇神天皇の御世に凶作や疫病が相次いで発生し、国が荒廃したこと。 そんななか、崇神天皇の夢に風の神様が現れ「吾が宮を朝日の日向う処、夕陽の日隠る処の龍田の立野の小野に定めまつりて云々」と神託を受けます。崇神天皇が神託通りに龍田大社を造営すると、疫病は退散したとされます。 更に、龍田大社が一躍脚光を浴びた事件があります。それが鎌倉時代後期に発生した「元寇」です。 鎌倉時代、モンゴル帝国（元）が二度に渡って日本に攻めてきたとき（蒙古襲来）、日本国内の主要な神社仏閣では御祈祷が行われました。そしてモンゴル帝国の艦隊は嵐に遭い、日本侵攻は失敗に終わります。 この時、龍田大社の裏手では雲が巻き上がり、巨大な竜巻が袋のようになって、西の方角に飛び出さったといいます。袋は玄界灘に達したモンゴル帝国軍の船団の前で破けて大暴風を起こし、モンゴル帝国軍に大打撃を与えたとされています。 この竜巻の正体こそ、龍田大社の御祭神である天御柱大神（あめのみはしらのおおかみ）で、それ以来、日本を救った風神として朝廷から篤い崇敬を集めるようになったのです。 余談ですが、日本の神社のトップに位置する伊勢神宮は125社もの社から成り立っていますが、内宮・外宮の両方で祀られている神様は「風神」だけです。内宮では「風日祈宮」、外宮では「風宮」として風の神様がお祀りされています。元は小さな社でしたが、元寇での国難を救ってくださったご霊験に応え、「別宮」に昇格され、丁重に祀られています。 また、第二次世界大戦の時も1945年7月に発生した宇治山田空襲で、伊勢神宮内宮にも空襲よる焼夷弾が降り注がれましたが、焼夷弾は風の力で五十鈴川の対岸の山に落下し、内宮に戦火が及ぶことはありませんでした。 このように日本のピンチを何度となく救ってきた風神を祀る龍田大社。規模は小さいながらも凄い神社であることが分かるかと思います。 ほとんどの参拝客は社殿でお祈りをするだけだと思いますが、時間があれば社殿から約3㎞ほど離れた場所にある竜田山に訪れることをお勧めしておきます。 （動画内では6:18から） この竜田山の頂上付近には風神の降臨地と呼ばれる「御座峰」が存在しています。御座峰は一本の木があるだけですが、日本のピンチを何度も救った風神が降り立った場所だけあって、近づくだけでもビリビリとした『何か』を感じる場所です。 アクセスはちょっと悪いですが、龍田大社に訪れた際には竜田山にも訪れないと魅力半減だと思いますので是非とも参拝してみてください。 Tatsuta Taisha is a Shinto shrine located in Sangō, Nara in Japan. The shrine is also known in Japanese as Tatsuta-jinja. The Shrine became the object of Imperial patronage during the early Heian period. In 965, Emperor Murakami ordered that Imperial messengers were sent to report important events to the guardian kami of Japan. These heihaku were initially presented to 16 shrines including the Tatsuta Shrine. From 1871 through 1946, the Tatsuta Shrine was officially designated one of the Kanpei-taisha, meaning that it stood in the first rank of government supported shrines.