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太極八法 (6.28)　2024東瀛太極拳社

練拳者の一言 太極拳の心(脳)と身(体)の関係について、練拳者の私見を下記のように披歴したことがあります。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 太極拳の心(脳)と身(体)の関係 心―静―無極 心(脳)は常に冷静さを保ち無の状態(無極)を維持する。 身―動―太極 身(体)を動かし循環消長運動(太極)を繰り返す。 「無極にして太極」(「無極而太極」)とは身(体)を動かす循環消長運動(太極)を繰り返していても、心(脳)は常に冷静さを保ち無の状態(無極)を維持する。 「先に心(脳)在りて(先在心)、後に身(体)在る(后在身)。」、「心(脳)を以って気をめぐらし(以心行気)、気を以って身(体)を運ぶ(以気運身)。」という先人(武禹襄)の観点は心(脳)と身(体)の関係を明らかにしています。 ここで言うところの心(脳)と身(体)を繋ぐ「気」については、現代においてその機能を情報処理と情報伝達に特化した脳の神経細胞「ニューロン」の働きを意味するかのようです。 　　　　　　　　　　・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 太極拳の基本「身法」の八法(掤、捋、擠、按；採、挒、肘、靠)を、左右前後中の方向を示す五歩(進、退、顧、盼､定)に結び付けて練拳する方法で、王宗岳いうところの「十三勢」(長拳)です。この太極八法の練拳に当たっては、五歩の定歩―四角歩―活歩を基礎として、八法の防御身法の「掤、捋、採、挒」のみや攻撃身法「擠、按、肘、靠」の一つ、例えば「肘」を特化させて練拳してもよいでしょう。また、陳、楊、常などの「拳式」そのものを挿入してもよいでしょうし、八法を備えた「雲手」を加えたり、「捶法」(突き)や「脚法」(蹴り)も併せるとより多様になります。特に活歩の場合は重心の置かれていない下肢を自由に移動させることでそれに合わせた身法を臨機応変に採ることができ、套路とは異なる無限の広がりを体得できます。練拳者はこの太極八法を常式太極拳でいえば、完全に型が無くなる「心架」の前段階にある「随架」と共通する練拳方法であり、究極的には「～式」を超越した、その先にある太極拳の心身を解き放つ本質理解に資するものと考えています。なお、この太極八法の練拳に当たって、練拳者がこれまで学んできた陳式、楊式などの太極拳の型をより多く含む時には「太極十三勢」と称しています。