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太田裕美「恋愛遊戯」〜本当のシングル・バージョンはこれ

太田裕美 8thシングル「恋愛遊戯」 この動画は発売された「恋愛遊戯」のシングルレコードを再生した動画です。 現在、CDで発売されている「シングル・バージョン」として収録されているものは、 実は本当のシングル・バージョンではありません。明らかにボーカルとミックスが違います。 この動画でおわかりいただけると思います。 ちなみに、この動画のシングルレコードはアルバム『こけてぃっしゅ』収録のものと全く同じボーカル、ミックスです。つまり、本来はシングル・バージョンもアルバム・バージョンも存在しなかったのです。 本来のシングル盤の方は、声の伸びも良くファルセットも綺麗に出ていて、きっちりと歌っている印象です。現在、CDに収録されているものは、少し声が荒れている感じで、「だってあなたは恋愛遊戯」のところのファルセットもかすれています。全体にふわっとした印象です。最初のCD-BOXが出た当時、ブログで裕美さんに質問して、よく覚えていないけど、歌い直した記憶がないので、同じレコーディングセッションではないかと回答をもらいました。ただ、声の調子から予想するに、仮歌で歌ったものなのかもしれません。ミックスが違う点も実際にシングルになったものの方が音が全体に締まっているので、仮という想定もあながち間違っていないかもしれません。「赤いハイヒール」や「失恋魔術師」など別バージョンとしてCD-BOXに収録されたものは全て仮歌の状態なので、この作品も同じだと想像します。 アルバム『こけてぃっしゅ」』をよく聴いてみると、のちに喉の調子を悪くする片鱗が見える曲もあります。「九月の雨」は比較的早い段階でレコーディングされたようで高音のファルデットで張る部分も非常にエネルギッシュに出ています。 テレビ出演にコンサート、年3~4枚のシングル、2枚のアルバムのレコーディングと喉を駆使し続けた上、作品の難易度も上がった結果、1977年の夏を境にして、裕美さんは喉を痛めていくことになってしまったようです。 喉の調子が絶好調でピークだったのは1977年1月20日発売の「しあわせ未満」でした。 ちなみに、CDベストなどに収録されている「シングル・バージョン」となっているものの初出は、カセットテープで1977年に発売された『太田裕美 ソングブック』のA面2曲目に収録されたもの。その後のLPベストなどではこのバージョンが採用されることはありませんでしたが、1999年に発売されたCD-BOX「太田裕美の軌跡」に収録されてから、「シングル・バージョン」として間違った形で広まってしまいました。 この事実を正したく、この動画を作成しました。 太田裕美「恋愛遊戯」 作詞：松本隆 作曲：筒美京平 編曲：萩田光雄 CBS・ソニー 06SH 160 1977.5.31発売